中小企業が「売り手市場」になっている理由とは


 企業の求人倍率だけを見れば、就職情勢は回復傾向にあると言っても良い状態ですが、大学生の就職内定率の改善には至っていないのが現状です。その理由として挙げられているのが「学生と企業のミスマッチ」ですが、ではなぜミスマッチが起きてしまうのでしょうか。

 

 ミスマッチの原因として良く言われているのが、学生の「大企業志向」です。企業規模が大きく、知名度も高い大企業は不況下にあっても雇用や給与面での安定感が強いイメージがあるため、学生が集中しやすい傾向があるとされています。そのため、競争率も必然的に高くなり、結果としてそれが内定率を低下させる原因となっているのです。

 

 一方で、企業規模が小さい中堅・中小企業の場合、実は売り手市場であるにも関わらず、応募者が集まらない状態が続いています。リクルートワークス研究所の調査によると、2013年卒業の新卒者に対する求人倍率は、従業員1000人未満の中堅・中小企業で1.79倍、300人未満の企業では3.27倍であるのに対し、従業員1000人以上の大企業では0.73倍しかありません。

 

 つまり、もともと求人数の少ない大企業にばかり応募が集中し、求人数の多い中小企業に学生が集まらないということですから、業界・企業研究の不足といったような「学生と企業(仕事)とのミスマッチ」という以前に、もっと単純な「需要と供給のミスマッチ」が問題の根底にあるのは間違いないでしょう。

 

 また、規模が小さい、マイナーであるという事を理由に中小企業を避ける傾向は、学生本人に限った事では無いようです。最近では親が子の就職活動に積極的に参加するケースも見られますが、就職先を探す場合にも親の影響を大きく受け、「中小企業はダメだ」とする意見に同調して大企業のみにターゲットを絞る学生も少なくないと言われています。

 

 こうした傾向を受けて、ハローワークや就職支援サービス会社では、中小企業に対する学生の認識を改善し、ミスマッチの解消に乗り出しています。企業規模や知名度だけで就職先を選んでいては、いつの間にか範囲が狭まり、就職の可能性を自分で潰すことになり兼ねません。大企業の安定感は確かに魅力的ですが、中小企業にも目を向けることで本当に自分に合った仕事を探すことも可能になるのではないでしょうか。



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